コーキングとシーリングの違いは?外壁塗装を行う際には重要な工事
コーキング?とシーリング?
誰もが一度は目にしたことがあるコーキング材。ホームセンターに行けばコーキングのコーナーを見たことがあると思いますが、その数あるコーキング材を細かく解説していきます。
まず、コーキングとシーリングの違いです。
コーキングは「シーリング」と呼ばれたり、コーキング専門業者では「シール」とも呼ばれたり、人や職人さんにより呼び方がちがいます。
結論からお伝えすると、現在シーリングもコーキングも同じ意味として認知されていて、どちらも違いはありません。
「登山」と「山登り」程度の違いと思ってもらって構いません。
自身はシーリングといいますのでシーリングでお付き合いください。
外壁の隙間にあるゴム状のパッキンや、お風呂場の浴槽と壁の隙間を埋めるゴム状のパッキンをシーリング(コーキング)といいます。
また外壁やお風呂場などの、シーリングを行う箇所に応じたシーリング材の選び方や注意事項まで、シーリング材に関する基礎知識について細かく解説します。

現在、建築業界全体で、「コーキング」も「シール」も「シーリング」として統一表記されているからです。
では、「なんでシーリングで統一されてるのに、人によってはコーキングと言ったり、シール工事と言ったり呼び方が違うの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
ですが昔はシーリングとコーキングで明確に分類がされていました。
日本工業規格(JIS)によるとシーリングとコーキングをそれぞれ下記のように定義付けています。
日本工業規格(JIS)によるシーリングと油性コーキングの分類
- シーリング材・・・構造体の目地、間げき(隙間)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料。
- 油性コーキング材・・・展色材(天然油脂、合成油脂、アルキド樹脂など)と鉱物質充てん(填)剤(石綿、炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。相対変位の小さい目地のシールに使用される。
上記のように定義づけられていますが、簡単に言うと”油性コーキング材”以外はすべてシーリング材に属するという意味になります。
しかし、現在の打ち替え工事では”油性コーキング材”はほとんど使用されなくなり、過去に油性コーキング材が普及していた名残から「コーキング」という言葉が現在でも使用されています。
つまりは、過去に油性コーキング材使っていた箇所のシーリング工事をコーキングと呼んでいるのです。
ですので、現在ではシーリングもコーキングも同じ意味として使用され、「シーリング材」も「コーキング材」も同じ材料を指します。
また、シーリング工事について「シーリング工事とコーキング工事では工事内容は違うの?施工費用も違うの?」と、工事内容と施工料金について相談を受けることがありまが、シーリング工事もコーキング工事も同じ工事内容となるために施工料金も同じです。
材料の種類と用途


実は「シーリング剤」には様々な種類があることはご存じでしょうか?
たくさん種類あるということは、用途によって材料を使い分ける必要があるということなんですが、あまり気にしない職人さんも意外と多いものです。
シーリングにはいろいろな役目がありますが、「防水のためにとりあえず」というのは間違えではないのですが、塗料や他の材料と同じでシーリング剤によっては使用すべきではない場所があります。
というのもシーリング剤には主に4種類があるからです。
- シリコンコーク
- 変成シリコン
- ウレタンコーク
- アクリルコーク
この4つのうち「変成シリコン」は他の3つに比べ耐久性があり、変成シリコンの上から塗装もできて汚染しにくいため、どこに使用しても問題は比較的起こりにくいので安心です。
しかし、シーリング剤によって弾力性や乾く速度といった性質が異なり、人によっては「施工がしやすい」などという理由でアクリルコークばかり使う人もいます(本来は用途により使い分けなければなりません)。
シリコン剤
シリコンコーク剤の使用用途例
- アルミサッシ(サッシ廻り)
- ガラス
- 水廻り(お風呂場、トイレ、陶磁器、大理石など)
- 塗装をしない目地(タイル、サイディング、パネルなど)

上記を見ていただくとわかるように、シリコンコークは主に仕上げとして使います。
上から塗装しても材料が弾いてのらないうえ、材料が塗れてもすぐに剥がれてしまいます。
後から塗装する必要があるような外壁には使用できません。(ホームセンターでは200~300円くらいでお買い求めできます)
変成シリコン剤
変成シリコン剤の使用用途例
- 水廻り(お風呂場、トイレ、)
- 外壁のひび割れ補修など
- 鉄板、鋼板、トタンの継ぎ目
- 内装、外壁目地全般(サイディング、パネルなど)

変成シリコンは上から塗装が可能で、カラーもシリコンコーク同様に多くの種類があり、塗装をしなくても十分な耐久性があるシーリング剤です。
とても優秀なシーリング剤ではありますが、変成シリコンはシリコンコークやウレタンコークにくらべて密着性や耐久性が少々低いとされるうえ値段が少し高いので、他のシーリング剤でもよい場所なのに意味もなく使うということは少ないでしょう。
例えば、施工後のシーリング剤がむき出しになる新築のマンション(アパート、戸建て住宅)の外壁や、後から塗装する可能性がある屋外などに多く使われます。
その他クラックといった外壁の補修箇所にも使用します。
ウレタン剤
ウレタンコークの使用用途
- 外壁の補修
- 塗装前の外壁目地
- ALC、スレート、金属の目地
ウレタンコークは主に外壁塗装の塗替えのときに使われることが多いです。
硬化(固まる)するとゴムのような弾力性があるため耐久性が高く、コンクリートのヒビ割れの補修などにも使用します。
また変成シリコンと比べると価格が安く、外壁塗装の際の塗料との密着性や弾力性も高いというメリットがありますが、ウレタンコークは紫外線に弱いので必ず上から塗装する必要があります。
外壁塗装を行う前提でシーリング工事をする際は、変成シリコンもウレタンコークも、塗装汚染しにくい「ノンブリードタイプ」のシーリング剤があるので、せっかく塗装するなら「ノンブリード」を選ぶ方がいいです。
アクリル剤
アクリルコークの使用用途例
- ALCパネル間目地
- 下地板の目地
- クロス、内装目地
- モルタルのクラック補修

アクリルコークは水性系で作業がしやすいコーキング剤です。
湿った場所でも施工できますが、硬化(固まった)したときに肉痩せしやすく耐久性が低いのが難点です。
太陽が当たる場所では大体10年もすればヒビ割れてきてしまうと言われるほどで、リフォームや塗替えであえて使う人はほとんどいません。
またこちらも塗装が可能でノンブリードタイプなら汚染しにくくなっています。
まとめ
塗料と同様、シーリング剤にも1液と2液があります。
補修程度だと1液で、外壁塗装などでシーリングを打ちかえる場合、シーリング剤がかなりの量が必要となるので2液タイプのシーリングを使うことが多いです。
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