2017/12/25

韓国でのビル火災を調べてみた!ドライビットと燃えやすい外壁材は

 

この記事を書いている人 - WRITER -

なぜ多数の犠牲者?

12月21日午後、韓国中部・忠清北道(チュンチョンプクト)の堤川(チェチョン)の建物で火災が発生しました。

死亡者29人、負傷者26人とゆう報道です。

なぜこんなに犠牲者がでたのでしょう?

1階の駐車場から上がった火は、8階建ての建物全体に瞬く間に広がりました。

その報道を聞くと、この建物の外壁には燃えやすい外壁材が使われていたというのがわかりました。

多くの犠牲者が出た原因は他にもあるかもしれないですが、今回は燃えやすい外壁材に絞って調べてみました。

建物の構造と外壁材は

外壁材には色々な種類がありますが、堤川(チェチュン)の建物には「ドライビット」という外壁材が建物の外壁に使われていました。

「ドライビット」は、断熱性に優れた発砲スチロールで値段が安くて施工が簡単なため、多用されています。

この外壁材は、火にあまりにも弱く、「たきつけ」と同じともいわれています。

ドライビット外壁材

非常の燃えやすいうえ、「ドライビット」は発砲スチロールといった可燃性素材の上に石膏や塗装を塗り重ねたもので、有毒ガスをだす致命的な短所があります。

「焚き付け」とまで呼ばれていても、この外壁材が使われる理由は、結局「お金」が理由で、大理石やレンガでの仕上げに比べて、価格が3分の1ほど安いからであることが理由の1とつです。

この施工方法はビルの外壁にウレタンフォームや発砲スチロールを塗布したあと、セメントやモルタルなどで仕上げる工法です。

石やタイルの外壁工事よりも費用が50%以下安い上、工事期間も半分ほどに短縮することができ、実際には宿泊施設や結婚式場、ワンルームなど、住居用より目を引く必要があるビルに多く使われています。

実際2010年に「ドライビット」を施工した外壁で実験も行われており、横3m、縦6mの外壁にこの工法で外壁材を施工した後、壁の内側に火をつけた結果、わずか1分30秒後に、火は外壁を飲み込んで、炎が6mまで達し真っ黒な有毒ガスを噴出したとあります。

火がウレタン材や発砲スチロールによく燃え移って猛毒ガスが出る上、火災の際は埃が大量に発生するため、例え離れた場所にいたとしても、煙を吸い込めば肺を傷つけかねない危険な資材とおもいます。

 

断熱性と透湿性に優れたドライビットボード

ドライビットはダメな部分ばかりでなく良い部分もあります。

断熱性が高く透湿抵抗の小さい高性能EPSを躯体の外側に貼りつけることにより、躯体(コンクリート)が外気温の変化に左右せれににくくなり、コンクリートの蓄熱性能を効果的に利用できるようになります。

特に冬季は、室内温度が適温で安定し、快適な居住空間が実現します。

夏季は庇などを設け直射日光を防ぐことで冷房効果が飛躍的に向上し、「省エネ」の建物が実現します。

また、建物の内部から外気に向かう水蒸気を適切に排除されながら、外部からの雨水などの侵入は防ぎますので結露の発生が抑えられると同時に建物の寿命も延ばすことができます。

この記事を書いている人 - WRITER -
 

  関連記事 - Related Posts -

 

  最新記事 - New Posts -

 

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です